2006年10月13日 (金)

はじまり その2

もう少し、はじまりの能書きが続きます。

本だけに集中すればいいのに、近年のくせで、つい意中の語を片っ端からGoogleにググらせてしまい、ズッコケ三人組公式ページなるものを発見してしまいました。
虚心維持のため、あまり現代ズッコケ事情には触れたくなかったのですが、つい目に入ってしまったのが「ズッコケファンクラブ」なるもの。
孤独なズッコケ全巻踏破の励みになればと、ついつい深く覗いてみたところ、どうやら入会試験に合格しないと会員にさせてもらえないらしいことが分かりました。子供の世界のことという驕りを衝かれたような気がしてすぐにブラウザを閉じたのですが、考えるにつけ、これは避けて通れまいと奮起した次第。
十年ほど前に大学院の入試に落ちて以来、「試験」などはとんとご無沙汰で、合格となると更にその数年前、十代の終盤に大学に入学を認められてから久しく縁がありません。一度も合格のない二十代を無為に過ごしてきました。

ダルな環境に生きるダルな僕のことですから、おそらくこのズッコケファンクラブ入会試験が、生涯最後の試験となるでしょう。
無論、全力を傾注する所存であります。

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2006年10月12日 (木)

はじまり その1

読む前から感銘を受けることがわかっている本というのは、古典をのぞけばそうあるものではありませんが、十年ぶりにそんな本を見つけました。Back00
これです。『ズッコケ中年三人組』。僕と同世代(1972生)にはこのタイトルと表紙画像だけで唸ってしまう人もいるはずです。僕なんか、すぐにいろいろ知ってしまうのが怖くて、未だろくにレヴューも見ていません。
恐る恐る瞥見した情報によると、あの「ズッコケ」シリーズが50巻で完結したらしいこと。で、件の本は、完結を期に那須正幹氏自身が書いたものであるらしいこと。内容は中年男(四十過ぎ!)になった三人が描かれているらしく、この一冊のみでシリーズ化されないらしいこと……とまあ、この程度のことが分かってるだけです。

「ズッコケ」シリーズは、僕が小学校を卒業するころ(1984年)には十冊弱しか出ていなかったと思いますが、それでも乱歩二十面相やポッペン先生と同じく、図書室の顔でした。

情けない話です。学ランに見合う風俗(女生徒や部活や各種生意気…)なぞに気をとられ、いつしか意識すらしなくなっているうちに、あの「ズッコケ」シリーズが50巻に達し、シリーズが完結し、『中年三人組』なるものまで刊行されていたというのに、まったく無縁の世界で不毛な生を生きてきたなんて。

現在三十代の男性で、小学校を卒業してもなお、続々刊行される「ズッコケ」シリーズを座右に懐中に厠中に手放さず生きてきた人のような、そんな人生よりも充実した十代ニ十代を過ごすことができたと自信を持って言える人がどれほどいるでしょうか。いないと思うね、僕は。だって「ズッコケ」シリーズはスゲーおもしろいもん。

あれほどに「ただ子供であること」だけに対しささやかな肯定を発しつづけた本があったでしょうか。どれだけ踏ん張ってもそろそろ「中年」たらざるをえなくなりかけている今、あの甘美に存在を賦活する肯定のささやきが必要だと思いませんか?僕は思ったんです。

で、今後の人生を左右する重大な示唆に満ちているかもしれないこの『中年…』を読むには、それに相応しい準備が必要だろうと考え、また、この二十年の不義理を挽回し心を浄化する意味でも、シリーズを初巻から通読することにしました。その読書日記がこのブログです。閲覧ゼロでも続けます。

とにかくこれから、ズッコケスピリットを回復し三人とともに「中年」としての生を肯定される日まで、50回ズッコケるわけだ。

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